2013年 01月 06日
巨大津波は生態系をどう変えたか |

津波被害を受けた東北沿岸部の自然環境は、今どうなっているのか。
その一端を知ることができる貴重なレポートであり、
自然環境の側面から「復興」に関わる問題を提起するタイムリーな書。
現地で、何が起きているのか。
著者の永幡さんは、被害地の海岸線を、時間をかけて観察し、考察しています。
復興の名の下でやむを得ず進む、環境に配慮しない(できない)土木工事。
外来種の増大、生態系の単純化の進行。
塩害による、地域固有種絶滅のおそれの増大・・・などなど。
それらの背景には、様々な事情があり、解決は容易なことではありません。
現地では、カやハエ、アブラムシやテントウムシの大発生が確認されたとのこと。
永幡さんによれば、これらは激しく生態系が動き、平衡を取り戻そうとしている姿。
将来、東北沿岸部には、新しい生態系ができるであろうと氏は予測しています。
氏のように、現地で環境保全に関わるアクションを始めている人達がいます。
私はせめて、彼の地の自然環境に、今後も興味関心をもち続けたいと思います。
by cryptomerian
| 2013-01-06 17:42
| 本